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首都圏レジリエンスプロジェクトとは?

プロジェクト概要

本プロジェクトにおいては、以下に掲げる3つのサブプロジェクトの推進、データ利活用協議会(デ活)の運営を行ない、これらの有機的連携を通じて、官民一体の総合的な事業継続や災害対応、個人の防災行動等に資するデータの収集・整備を目指します。

都市機能、人口が集中する首都圏は、日本の頭脳であり、社会経済活動の中枢です。いつ起きてもおかしくない首都直下地震などの首都圏を中心とした災害リスクを正確に評価するとともに、首都圏が総合的な事業継続能力や対応能力を備えていかなければなりません。被害が出た社会が少しでも早く復旧し、復興に向かうには、経済活動の立て直しも欠かせません。そのためにも、産官学民が力を合わせて首都圏のレジリエンスを高めていく必要があります。

どんな災害が起き、社会がどう対応するかという、社会科学と理学、工学の研究を、産業界、自治体、学術界、民間、政府機関が一緒に行うところは、まだまだ少ないと思います。『レジリエンスの向上 forR』を実現するために立ち上げたデータ利活用協議会(通称 デ活)をはじめとして、まずは一つずつ成功事例を重ねるところから。3年、5年かけ、将来につながる防災の仕組みを形にしていきたいと思います。

プロジェクト背景

わが国は世界でも有数の地震大国であり、これまでに幾度となく甚大な物理的・人的・経済的被害をうけてきました。過去に甚大な被害をもたらしてきた首都圏の大地震や南海トラフ巨大地震は今後も発生の可能性は高く、早急の対策が求められています。地震調査研究推進本部地震調査委員会の長期評価によれば、首都圏のどこかでマグニチュード(M)7程度の地震が今後30年以内に発生する確率は70%程度であり、大変高いと言えます。

2015年5月に発生した小笠原諸島西方沖地震(M8.1)の深発地震(680km)では最大震度5強が観測されましたが、直接的な大きな被害は発生しませんでした。しかし、首都圏における約2万機のエレベータが停止し、交通機関が大きく乱れ、ライフラインの一時停止等が生じ、事業の中断や経済機会損失にもつながりました。また、2018年大阪府北部の地震(M6.1)のような比較的頻度の高い中規模地震への備えの充実も決して看過することができません。
特に、都市機能、人口が集中し、社会経済活動の中枢でありわが国の頭脳となっている首都圏においては、災害に対する脆弱性を内在していることから、首都機能の維持を図るため、詳細に災害リスクを評価するとともに発災に備えた対策を施しておくことは、これまでにも増して重要かつ喫緊の課題となっています。